君ニ恋シテル

二人が演奏をスタートさせると、ギターの音、二人の歌声が会場いっぱいに響き渡った。


グッズ売り場で買ったてっちゃんのうちわと、ブルーのペンライト、亜紀ちゃんから貰ったサイリウムを手に、私はステージを夢中で見つめる。


あ、まただ…。
さっきから何度もてっちゃんと目が合う。

気のせい…じゃないよね。
これは気のせいじゃないよ。

目が合うたびに、胸が高鳴る。

夢を見ているみたい…。

ついこの前話したなんて嘘のよう。

ステージに立つ二人はキラキラ輝いていて、普段と全然違う。

凄いな…。
カッコイイな…。



「今日は来てくれてありがとー!」

「ありがとう!」

曲が終わり、二人が話しだす。


「コンサート初日!
盛り上がってこうぜー!」

逞くんがそう言うと、きゃあー!と歓声がわき、

「みんなで最高の思い出にしましょう!」

てっちゃんの言葉に、また歓声がわく。