君ニ恋シテル

そう、これが噂のあの子。

まさかこんなところで再会するなんて、予想もしていなかった。


私は隣に座るその子にチラッと視線を向ける。


フリフリのレースのついた可愛らしい洋服。

がっしりとした体つき。

忘れやしない、紛れもなくあの日のイベントで私の前にいた、転んだところをてっちゃんに助けられた、あの子だった。

1つだけ違うところといったら…メガネ。

前のイベントではかけていなかった。

目悪いのかな…。


この子は私のことを覚えているだろうか?

んー、覚えてるわけないか…。


すると、メガネの奥にある瞳と目が合う。

わっ!ヤバイ!
私はまた咄嗟に目をそらす。


「ふんっ」

その子は荒い鼻息とともに、ぷいっと私から顔を背けた。


「これもある意味…運命?だったりして」

亜紀ちゃんはニヤニヤと笑いながら私に耳打ちした。


運命…。
確かに、ある意味運命かもしれない。

こんな偶然も中々ないよね。

最前列、しかも隣同士なんて…。


って、運命って何の運命よ!

自分で自分にツッコミをいれる。