君ニ恋シテル

開場。


「ひゃあぁー、優奈どうしよー。緊張してきたぁ!」
「…うん」

歩くたびドキドキが早くなる。
目指すは最前列。


「ついた…」
「ついちゃった…」

目の前はステージ。
手が届くほど近い距離。


「すっごい!こんなに近いよ!やっぱ実際座ると全然感覚違うね!」

亜紀ちゃんは席に座るとステージに向かって手を伸ばす。


「亜紀ちゃん…私、もうドキドキがヤバイ」
「私もだよ!」

どうしよう、泣きそう…。
ステージを見つめていると自然とウルウルしてきた。


「優奈、まだ泣くの早いから」
「だってぇー…」

ここに座っているのがいまだに信じられない。

夢のまた夢だった最前列に自分が今座ってる。

私は喜びを噛み締めた。


「早く逞に会いたい!
あぁー、ヤバイ!テンション上がる!」
「私もー!」

早く会いたいよー!



すると…



ドスンッ