賑やかな夜の街を車が進む。

優奈ちゃんと亜紀ちゃん、もう家に着いたかな…?


「でもほんと、二人に会うなんて驚きだったな」

笑顔でこそこそ話しかけてくる逞に、俺は相槌をうつ。

ほんと驚きだった。
また会えたらいいな、とは思っていたけど、まさかあんな場所で会うとは予想もしていなかった。


「徹平は優奈ちゃんともっと話したかったんじゃないかなぁ…なんて」

話したかった。
それはほんとの気持ちだけど。
なんで優奈ちゃん限定なんだよ。


「あ、図星?」

ニヤニヤして俺の顔を覗き込む逞。
そんな逞に無性に腹が立つ。

「やっぱ図星だぁー!」


なんで逞はいつもこうなんだ?
俺は冷めたため息をつき、逞からふいっと目をそらした。