だんだん小さくなる二人の姿を見つめる。

月明かりに照らされた二人の後ろ姿。

後ろ姿まで、完璧なアイドルで。

どんなに手を伸ばしても届かない。

憧れの人。

さっきまで話していたのが嘘みたい。

幻みたいな時間。

やっぱりどうしても…切なさは避けられないね。


ワガママかもしれないけど、これからもずっと私のこと忘れないでいてほしい…。

ずーっと覚えててほしいな…。


しばらくすると二人の姿が見えなくなった。

「行っちゃったね…」

亜紀ちゃんがポツリと呟く。