君ニ恋シテル



「えっ!待って待って!ほんとなんでいるの!?」

「あはは!亜紀ちゃん落ち着いて。とりあえずさ…ちょっと移動しよう。ここちょうど出入口だし…」

逞くんはそう言うと歩き出した。

私達もその後に続く。


思いがけない展開。
こんなことあり得るんだ…。

たったさっきまで落ち込んでいた気持ちは消え去り、今やドキドキに変わっていた。


出入口付近から少し移動すると、

「ねっ、なんで!?
もう超ビックリなんだけど!」

亜紀ちゃんがまた口を開く。


すると、

「実はさ…」

今度は逞くんが口を開き話し始めた。

「…ちょっと早めに会場出てジュース飲んだりしてて。
終わってから出ると混みあうじゃん?
で、外で亜紀ちゃんと優奈ちゃんのこと待ってたんだけど、中々出てこないから、また人が少なくなった頃に会場入ってウロウロしてたら、二人を発見して声をかけたってわけ」

一気に話し終わると、逞くんはニコッと笑った。

そうだったんだ…。

私達のことを、待っててくれたの…?