私はガラスケースの中に沢山並ぶケーキを眺めた。


ケーキってみんな可愛い。
私もこんなふうに、ふわふわで、甘くて、可愛い女の子になれたらな…。


野田沙弓はまさにそんな感じだった。


私は昨日の夜のことを思いだす。


昨日の歌番組での野田沙弓の視線、二人が付き合ってたらどうしよう…。


あー!もう、なんかヤダ!
こんなふうに考えちゃう自分ヤダ!


私はケーキを眺めるのをやめた。



…昨日ついに、てっちゃんに対する自分の気持ちを認めてしまった。


認めたからって…現実は何も変わらないのに。