君ニ恋シテル

そして、いよいよテントの中へと足を踏み入れた。


「きゃあー!逞!」

先に入った亜紀ちゃんが声を上げる。


大好きなあの人が…てっちゃんの姿が見えた。


一瞬で泣きそうな想いが込み上げる。

感動にも似た、切なさと嬉しさが交じった複雑な想い。

すぐ近くにいる。
こんなにも、近くに。
だけど、どうしてだろう…。
凄く遠くに感じるのは、なんで?


亜紀ちゃんの声に反応したのか、二人がこっちを見た。


その瞬間、心臓が跳ね上がる。


てっちゃんの瞳の中に、私が映った。


「きゃあー!
優奈、今逞と目合ったぁー」

「う、うん」


くらくらする。
目が少し合っただけで、ものすごい衝撃を受けたよう。

てっちゃんがこっちを見てくれた。

嬉しくて、嬉しくて…。
胸が熱い。
ドキドキが、止まらない…。