君ニ恋シテル



ばちっ


亜紀ちゃんと視線が重なった。
大きな瞳に、私が映る。

亜紀ちゃんの目に、私は今どう映っているのかな?

ちゃんと笑えてる?


亜紀ちゃんは一瞬きょとんとする。

だけど、すぐに微笑んだ。


そしてこう言った。

「優奈、可愛い!」

「…はいっ?」

亜紀ちゃんの唐突な発言に、私はずっこける。

な、なにをいきなり…。

「今日の優奈、可愛いよお!
いつも可愛いけど、今日は特に可愛く見える!」

「なっ、なに言ってるの亜紀ちゃん!」

可愛いを連発され、顔が一気に熱くなる。


「可愛いから可愛いって言ってるの!
やっぱ徹平に会えるからかな?
恋してるって感じだもん」

こ、恋してる!?

『恋してる』その言葉に異常に反応してしまう。
私はあたふたした。

「あははっ!優奈ってほんと面白ーい。
恋してるって言っただけでそんな、あはっ」

「だ、だってぇー…」


だって、ほんとに恋してるから。
とは言えなかった。

言えるわけ…ないよ。