「何か一言でも話せたらいいよねー」

そう言うと亜紀ちゃんはBoy★2の歌を口ずさみだした。

私は亜紀ちゃんのその言葉を聞いて考える。

何か一言でも…。
そういえば何も考えてなかった。

前は「応援してます」って言ったけど…。

今回はどうしよう。
また同じ言葉?
んー…。
私は頭を悩ませた。


「あっ!でも逞、私のこと覚えてくれてるかなぁ?
あー、覚えてくれてなかったらショックで泣いちゃうー。
もうとっくに忘れられてるかもー。ヤダー!」

さっきまでのキラキラした笑顔が一瞬で消え、だだっ子のように騒ぎだす亜紀ちゃん。


てっちゃんは私のことを覚えてくれてるだろうか?

どうだろう…。
考えてみてもわからない。


「覚えてくれてたら嬉しいよね」

私は笑顔で亜紀ちゃんに言った。

どっちにしろ、会えるってだけで嬉しい。

このドキドキとワクワク感を、今はとにかく楽しもう。

亜紀ちゃんは私の言葉に笑顔を取り戻し、頷いた。