イベント当日。
「あぁー!天気いいね!
まさにイベント日和って感じー!」
いつも以上にハイテンションな亜紀ちゃん。
「そうだね」
私はそんな亜紀ちゃんを見て微笑み、相づちをうつ。
休日の街はいつもより人が多い。
笑顔で行き交う人たちとすれ違いながら、私たちはイベント会場へ向かっていた。
「ねぇ、逞と何か話せるかなぁ?」
亜紀ちゃんが笑顔で私に話しかける。
子供みたいな無邪気な笑顔。
ワクワクした様子は、ほんとに幼い子供のよう。
その瞳からは、純粋に逞くんのファンだということが伝わってくる。
私とはまったく違う想いの、大好きの気持ち。
「どうだろうね?」
私はなんとなく空を見ながら答えた。
青く澄みわたる空。
広くて大きくて、吸い込まれそう。
その眩しさに目を細める。
私も亜紀ちゃんみたいな大好きで、てっちゃんを想えたら…。
もう今さら無理だってことはわかっているけど。



