俺は逞から苺ショートを受け取る。

そして、一口食べた。

「美味しい…」

思わず口から言葉が出る。

「なっ!超美味い!
こういうのが幸せって言うんだな!きっと」

さっきまで声のトーンを落としていた逞が、声を大にして言った。

幸せか…ほんとにそうかもしれない。

店の名前と同じだ。

優奈ちゃんが言ってたな、ケーキを食べて幸せな気持ちになってほしい、そんな願いが込められてるって。

俺はもう一口ケーキを食べる。


すると、逞がこそこそとこう言ってきた。

「なんかさー、優奈ちゃんと亜紀ちゃんいい子だったよねー。
また話したいかも」