不安な私を見た連右が、優しく笑う。


「紀香、気にすんな。殴り合いとかしないから。とりあえず今は教室戻るぞ」


あ………そうだ、教室戻らなきゃいけないんだ。


留雨が来たからお弁当途中までしか食べれてないけど、いいや………


私は置きっ放しのお弁当箱をしまおうとした。


「あ、紀香。弁当箱貰っとく」


「え?」


連右が私の手から、お弁当箱を取り上げた。


「ちゃんと食うって、言ったろ?」


ドキッ……


「明日洗って返すから」


やっぱり連右は、元はしっかりしてて、優しいね……


ありがと、連右。