あれから私は、自分のマンションに帰った。

オートロックを開けるのも億劫【おっくう】で、早く1人になりたくて。
やっとのことでエレベーターに乗って、自室のある4階にたどり着いた。



「…っ!」



ドアを開け中に入り、鍵を閉めると、
雪崩れるように玄関先に私は一気に気が抜けたかのように、座り込んだ。



「…っく、…うわぁぁぁぁぁっ!!!」



泣きたくて、泣きたくて、たまらなかった。


大好きで、
愛しくて、
会いたくてたまらなかったあなたは、

あの夏の日、手の届かない人となった。


それが今は手が届くというのに、
あなたはもう、


―――――――私のものじゃない。



「どうしてよぉ……っ!!!」



どうしてあなたは、


「何で…っ」



こんなにも私は好きなのに、


「私から離れていくの…っ!!!?」



私から遠ざかるのだろうか…?