視界に広がるのは、青い海。 夏の匂いも残る中の秋の海は穏やかで、冬みたいな寂しさや、夏の忙しさを感じない。 今日は海都が、バイクで連れて来てくれた。 2人で学校をサボってしまった。 脱いだローファーにハイソックスを入れ、砂浜を歩く。 海都は今や堂々と煙草を吸っていて、ジーッと私を見てるとわかる。 「海都!」 綺麗な貝殻を見付けて、海都の元に駆け寄って見せると、「ガキだなぁ」と、私の手のひらに乗った貝殻を摘まむ。 私は「女の子はこういうのが好きなの」と、むくれて見せた。