「もう少し、頑張れば?深くまで関われる特権が、萌にはあるんだぞ?」



私のようすにため息を吐いた仁志は、それだけを言って、窓の外に視線を向けた。

吏良君が仁志の肩に手を乗せて、慰めるような仕草を見ながら、海都の事が言いたいんだとわかった。



「…ごめん、仁志…」



「……」



ポテトにしょっぱさが増した。

仁志の優しさが痛くもあり、嬉しかった。

…ありがとう、仁志。

もう一度、ぶつかって見る。

仁志が背中を押して貰った事。

無駄にしないから。



「泣くなよ」



「…汗だもん…」



仁志は、優し過ぎるよ…――。