「だからって…」と漏らした仁志を見た後、私は俯いた。

“引きこもり”とは、何だろう。

家に居ないと思ってた海都は、ずっと部屋に閉じ籠ってたの?

女の人との約束は?

集会だってあるでしょ?

…なのに、何で…。

別れて、振られて、関係ない筈でも気になる。

海都はご飯を食べたのか。

部屋が散らかってないかまで気になる。



「…萌?」



「ん…?」



仁志に呼ばれて顔を上げると、「食えよ」と、優しいけど力ない笑みで言って来た。

頷き、また食べるも、頭も心も、海都の事しかない。