「…お前は?」 「へ?」 「こんな夜中に何をしているんだ」 あたしは、 「星を掴みに」 流れる星をこの掌に。 「……へぇ」 あ、今呆れた。王子さま絶対呆れたよ。 「むー」 「いや、何だ…その、星は掴めたのか?」 「掴めるわけないでしょー」 あたしがそう言うと、王子さまは「だろうな」みたいな顔をしてあたしを見た。 「でも」 いつもは掴めないけど。 「もう少しで」 あと少しで、この掌に。