「いつまで前の彼氏を引きずるつもり?もう2年だよ?」 築20年の古さが自慢の居酒屋のカウンターでお酒を飲むのが少し前からの日課だ。 心配そうに顔を除き込むのは、小学校からの親友の新山千里。 同じ大学で同じ学科の同級生でもある。 「んー」 出来るだけこの話題から避けたいあたしは、否定とも肯定とも頷ける言葉で曖昧に答える。