でもそんな説明されると余計にこんなの心当たりない。

うちのお父さん、
そんなおしゃれじゃないからこんなの持ってるはずもない。


うーん…。


あっ!

もしかしたら昨日のあのサラリーマン…?

何も答えないアタシにアヤカは言った。


「ホンマ、
それ高価そうやから心当たりあるんやったら早く返したほうがええよ?
たぶん、
困ってはるんちゃう?
片方だけやったら使いもんにならへんもん」


「うん…」

でもこれがホントにあのサラリーマンのだとしてもどうやって返せばいいんだろう?


どこのだれかもわかんないのに。