「…べ、別に」 アタシは掴まれていた腕を振り切る。 「ホームから落ちるとこだっただろ!」 「落ちる?」 そう言われて足元を見る。 あ、ホントだ。 ホームの白線より前にアタシの足があった。 足元を見たままのアタシに彼は怒鳴る。 「危ないだろっ!? そのまま落ちて電車きたら死ぬところじゃないか! それとも死ぬ気だったのか?」 彼の声にアタシは顔をあげる。