「ちょっと――」 アタシがそこまで言いかけたとき彼はアタシの唇に人差し指を当てて言った。 「黙って、 俺の言うことを聞きなさい」 この場でもその台詞ですか…。 でもさっき黙ってるのは了承したことだって言ったから。 だから。 なのに。 アタシは。 もう何も言えない、 できない。 彼の顔、 見慣れてるはずなのに熱があがってく。 そんなアタシにおかまいなしに彼はさっきまで頭を包み込んでいた手が下がり今度はやさしくうなじを撫でる。 背中がぞくりとするのを感じた。 …魔法が解けない。