何を話そう。 何か話さなければ。 それより 何か話して? 少しして彼の左の人差し指がそっとアタシに向かってのびてくる。 え…? なに…? そう思った瞬間、 彼のその長いしなやかな指がアタシの下唇から上唇へ。 そっとたどる。 ちょっ…と…。 待って…。 たったそれだけなのに。 どうしたんだろう。 魔法にかかったように動けない。