「これ、返す」 「ハンカチ?」 「うん、 ハンカチと…」 アタシがそう答えて彼がハンカチに包まれていたカフリンクスを手に取る。 「これ… アンタが…」 「ごめん。 ずっと持ってた。 本当は返さへんとあかんってわかっててんけど。 …ボタンに傷いっぱいつけてごめんなさい」 うつむきながらさっきとは比べものにならないくらいの小さな声でアタシは彼に謝る。 彼は何も答えない。