「あの、これ、 紫竹さんのモノなんですけど…。 いないみたいなんでよかったら返しておいてもらえませんか?」 そして アタシはハンカチに包まれたカフリンクスを彼女に差し出す。 「あ、紫竹ならすぐ戻りますよ?」 「え?」 「返すんやったら直接返してあげたら? 座って待っといて?」 そう言って彼女はにっこりと笑った。 なんか、 別にいいんだけど。 もう、 すぐ返してすぐ帰りたかったんだけど。