落ちたせいなのかカフリンクスには小さな傷がたくさんついていた。 何度なでてもそれは取れることはなかった。 取れるわけない。 もう、 これじゃもう返せない。 こんなことになるのならちゃんと返せばよかった。 なんだか紫竹さんを傷つけてしまったようで。 すごく哀しくなって。 すごく苦しくなって。 それはコウセイから受けた傷の痛みよりも痛くて。 また涙がぽたりと手のひらの中にあるカフリンクスに落ちる。 …好き。 大好き。