「あ、待ってーや!」 アタシは慌てて追いかける。 でもすぐに彼は立ち止まり着ていたコートを脱いでアタシの頭にかぶせる。 あ…。 ぼんやり立つアタシに彼は 「早く」 そう言って再び急いで歩き出す。 紫竹さんの背中を追いかけながらかすかに聞こえた歌声。 英語? 可愛い歌だな。 静かな曲調。 歌詞なんか全然わかんないけど。