「伊織…」 ん? 誰か呼んでる? こんなところで? アタシは潤んでた目をごしごしこすってその聞こえた声のほうへ振り向く。 「あ… 紫竹さん…」 裏口を出たところの隣のビルの壁にもたれて腕を組んで彼が立っていた。 なんでここにいるの。 まさかカッコ悪いアタシを笑うために待ってたの? 嫌だなあ。 それよりどうしてこのひとアタシの名前知ってるの? アタシ言ったっけ?