いつの間にか僕は
見知らぬトンネルの中を歩いていた
トンネルは薄暗くモヤモヤしていた
いつから歩いているのだろう
視線の先にトンネルの出口が
遠くに小さくのぞいていた
その先は明るかった
目をこらしてよく見ると
光の中に誰か立っているのが見えた
逆光に紛れて顔は見えなかった
だがふと気づいた
僕はボロボロになって
ベッドで死にかけてたはずなのに
なぜこんなところにいるんだろう…
引き裂かれるような
身体の痛みがない
…夢…なのかな…?
夢にしては意識がはっきりしていた
それとも…
もしかして僕はもう
死んでるのか?
トンネルの出口に立つ人の影は
だんだん大きくなる
僕は止まらずに歩いていた
歩いているのに地面の感触がない
影が突然崩れた
と思ったら
その誰かは両手を上に上げて
僕に手を振っているようだった
「おーい…おーい…」
声が聞こえてきた
僕を呼んでるのだろうか
僕はさらに近づいていった
だけどあれは誰だろう?
なんとなく知ってる気がする
「……れー…るなー…」
途切れ途切れになにか言っている
そう思った瞬間
僕は唐突にその人の前に立っていた
逆光の中で僕はその人の顔を見た
「久しぶりだね…」
その姿に僕は驚いて目を見開いた



