本当だ…この人…僕を抱かない…

ずっと眺めてる

楽しそうに…眺めて

部下に…殴らせて…

犯させて…

すごく…気持ち良さそうに…笑う…

(良いんだ?…これもか?)

「うああぁぁっ!」

太いベルトで打ち据えられる臀部

そのたびに響く笑い声



打たれながら思い出す

ああ…この感じ

あのときの

兄の恍惚とした顔…

あの部屋で

あの人に…ベッドに縛られて…

ベルトが振り下ろされるたびに

兄の顔が歪み…苦痛が…苦痛を

越えてしまっていた

ロウソクの火が…揺らぎ

影…が…不気味に…揺らめいて



「ぐふっ!」

腹部にベルトが炸裂する

こうやって僕はまた

兄になれる




こんなにされてたのかな

脇腹のタバコの痕も

また兄貴と同じになったね

兄貴の身体中の火傷の…痕…

また…一緒に…歩ける…

兄貴…生きて…る…?

もし…この世から離れていても

僕は黄泉の道まで迎えに行くから…




「うあっ!あぁっ!うぐっ!」

太ももに何度もベルトが食い込む

皮膚が切れて

血が滴り始めた

されてる暴力に反して

急に来るオーガズム

「くあああっ!」

(いいぞ!いいね…上等だ…)

嬉しそうな声が響いた