「あなたたちご飯中だったのね」

「いいよ…もう終わるから」

僕は口にご飯が入ったまま答えた

「ゆっくり食べなさいよ」

「これっぽっちだよ…ゆっくり食べる

量じゃないし」

「わりと美味しそうね…私が胃潰瘍

で入院してた病院より良さげだわ」

「母さん胃はもう良いの?」

「だいぶ良いわよ」

「…っていっても…前と同じじゃな

いな」

珍しく父が間に入った

「食う量が減ったよな」

「おかげでダイエットよ」

「俺が逆に太る…作るオカズの量変

わんねーんだから」

「それはお酒ですよ」

「でも調子が良くなって良かったで

すね」

彼が母に敬語で話しかけた

それでも母は嬉しそうに答えた

「この子があなたと一緒に暮らし始

めてから安心したのよ…メールで様

子もわかったし」

「ありがとう…無理言って一緒に暮

らしてもらって…お二人にもいろい

ろしてもらって…今日も遠くから来

てくれて…感謝してます」

「したいのよ…勝手にやっちゃいま

すよ…迷惑でもね」

「ごめんなさい…ほんとに…ごめん

なさい…私の記憶が無いばっかりに

本当につらい思いをさせて…」

彼はためらいながら母に言った