次の日には電話があり
親父が臨時に休みをとって
すぐに来るという
彼にそれを伝えた
「ありがとう…さすがだね…私もお
願いしようと思ってた」
彼は窓の外を眺めた
「ふたりともほんとはいつでも来た
くて…でも…僕にその心を託してく
れてたんだ…いわば僕は全権大使み
たいなもんだよ」
「君に心を開けて私は良かったって
思ってる…両親には悪いことをした
な…でも…君を通して彼らにもつな
がってる…きっとね」
彼は僕の手を取った
「こうやって…私はどうにかつなが
れる…私は記憶の視覚障害者のよう
だ…親密さが見えない…どこにいる
かわからない…でも君に手を引かれ
て想像する…私は…愛されてたのか
なって…ね」
彼は淋しげな顔をした
「自分の子供に他人のように扱われ
て…二人も辛いだろうに…でも…ど
うすることもできない…」
僕はその言葉が辛くて
思わず彼をベッドの上で抱きしめた
「いいんだよ…あなたが幸せそうに
笑っていることが…親父も母さんも
いちばん嬉しくて安心するんだ…そ
れが記憶より何より…嬉しい…僕だ
って…そうだよ」
「君は……君は…」
彼は僕をぎゅっと抱きしめた



