翌日病院へ向かった
検査の結果はすぐに知らされた
腫瘍が大きくなっていて
脳圧が亢進している…と
朝の吐き気・頭痛が
今までもあったのではと
院長は彼に聞いたが
彼は首を横に振った
いつ意識障害が出ても
おかしくはない
そんな説明を遠くで聞いていた
実感がほとんどなくて
認めたくなかったのか
それを現実だ…なんて
入院の準備を始める
もう帰っては来れないだろう
彼も呆然としていた
ショックもあるのだろうが
軽い意識の低下が始まっている
のかもしれない
昨日はあのまま意識を失うように
抱き合ったまま眠った
この入院に関しては
まだなにも二人で話してはいない
一人部屋しか空いていないと
事務に言われたが
そのほうがいい…と内心思った
話さなきゃ
聞かなきゃ
意識があるうちに
このことを…ふたりで
あなたも僕も
まだ話していないことを
まだこれからなんだ
まだこれから…



