診察を受けると
前倒しで検査をすることになった
CTの予約が明日空いているので
予約の時間を指定されて
今日は帰宅することになった
明日の検査の結果如何によっては
すぐ入院するかもしれないと
院長から言われた
彼は「はい…わかりました」
とだけ静かに言って
僕と一緒に病院を出た
帰りのタクシーの中でも
彼はずっと黙っていた
部屋に帰った
引っ越してからまだ一ヶ月足らずの
僕達の小さな城に
「お腹すいた?」
ちょうど昼前だったので
僕は彼に聞いた
「うん…少しね」
「食欲ある?」
「多少」
「そっか…ちょっとは食べれるね…
パンとご飯どっちがいい?」
「軽くパンかな?」
「わかった」
これがこの部屋での最後の一日
かも知れないんだ…と
キッチンで僕は一瞬目を閉じた
自分が唾を飲み込む音が
耳の中で響いた
いつか来ると思っていた
それが今日かも知れない
小鍋で卵を二つ茹で始める
それがまるで僕らに見えた



