失われた物語 −時の扉− 《後編》【小説】





「青い空が見える…鳥は…自由だ…

悲しい人を慰める歌を…僕はもう歌

わない…」

「そうか…君は…知ってるんだね…

それを」




あの時は受け入れられなかったけど

…今なら…もうできる

ああ…あのとき狂気に陥るしか

できなかった僕が



あの人に見せたい



(君は晴れて自由だ…人生の支えに

なるほどの意味など…初めから存在

はしない)



あの人の言葉を

あなたが僕に受け入れさせたんだ



「僕は…また救われた…あなたに」

「それはおあいこだよ」

「僕はそんな大したことしてない」

「君にはわからないかもね…私の気

持ちは」

「わかりたいのに…」

「いつかわかるさ…愛してるよ」



僕は焦って顔をそむけた

彼の顔…見られない

でも心の中で囁く

僕もだよ

愛してる