失われた物語 −時の扉− 《後編》【小説】





朝は朝ごはんの支度から始まる

病院の朝は早かったので

彼はけっこう早起きする

病院の生活リズムは健康的だ

朝は6時に起き7時半に朝食

昼食は正午

夕食は6時半

消灯は9時

改めて決めるのも面倒なので

それに準じて生活することにした

朝は実家がパンだったので

それを踏襲することになった



彼は小食だ

昔からそんなに大食いではないが

今はさらに食は細くなっていた

足が不自由なのでカロリー消費は

実家にいた頃よりかなり少ない

前は走っていた

その足はもう使えない



だがリハビリは欠かさない

整形の先生は毎日歩いて

筋肉を落とさないように指導した

殿筋・腹筋・背筋…

これらはまだ麻痺していないが

動かさないとどんどん落ちる

免疫も落ちる

太陽に当たって身体を動かすこと

二人で暮らし始めてからは

午前中の日課は公園へ行き

散歩と筋トレをすることだった

街には城跡の大きな公園があり

ジョギングコースや体育館もあった

天気のいい日に彼と歩きながら

木立の中でいろいろ話をした