「重いけどね…耐えてくれたみたい
…でもちょっとは痛いな…」
「無理しても少しは食べないと…胃
に悪いんじゃないの?」
「そうね…朝はお粥食べたわよ」
そう言って母は黙り込んだ
目が潤んでいた
仕方なく僕が話を継いだ
吐き出させないと…
たとえ泣かせたとしても
「兄貴から…黙っててくれって言わ
れてた…病気のこと」
「…うん…お兄ちゃん言ってた…自
分から私達に話したかったって…」
そう言ってるそばから母の頬に
大粒の涙がポロポロこぼれた
「そんなの…ないわよ…ねぇ…また
逢えたのに…戻ってきたのに…また
…行っちゃうの?…そんなの…ひど
いわよ…ねぇ」
「うん…ひどいよね…ひどすぎる」
胸が痛い
「でもさ…兄貴…変わったよね…」
母の気持ちをとりなすように
僕は努めて…泣かないように
兄の変化を口にした
「なんか明るくなっててさ…ずっと
兄貴が重そうに持ってた心の翳りみ
たいのがさ…消えちゃったみたいだ
と思わなかった?…僕は…それだけ
は…嬉しい…」



