やはり兄は実家に帰るつもりはない
と両親に話した
“ここで私は終わろうと思います”
と…
母は気丈なフリしてこう言った
“そうね”と
“あなたの好きにしてね…でもいつ
でも待ってるから…気が変わったら
連絡してね…”
「私…うまく言えたかしら…」
母は翌日もボーッとした様子で
僕を相手にぽつぽつと昨日のことを
食卓でお茶を飲みながら話した
晴れた昼下がりだった
父はあのあと遅く帰ってきて
酒を飲んでシャワーを浴びて
すぐ寝てしまった
今朝もやつれた顔で出勤していった
何もかもが変わった
そしてなにも変わってない実家の
いつもの食卓
このタイミングで僕が帰ってこれて
なんか良かったんだな…
母の話し相手をしながら
しんみりそう思えた
「胃の具合大丈夫?」
あんなショックのあとで
また吐血しないかと心配だった



