失われた物語 −時の扉− 《後編》【小説】




僕の既に固くなった性器を

彼は僕の唾液で濡れた指で

包み込むように握った

「は…あっ…」

そして僕の身体の上に覆い被さった

「君はここが…」



耳に囁く

わざと



「んあっ!」

「君は耳が…一番…悶える」

吐息と囁きで交互に

「あうっ…」

「もっと感じるんだ…もっと声を出

してよがるんだ」

容赦なく低い声が入ってくる

その唇が耳輪をかすめる

ああダメだ

狂う

「はうぅ…!」

「もっと…感じているはずだ…もっ

と…君は耐えなくていい…動くな…

力を抜け…筋肉を締めるな」

握った性器をゆっくり離れて

腹部を撫で上げていた彼の指が

不意に止まった

「ここで…耐えていたのか?」

みぞおちの筋肉が固く閉じている

触られて気づいた

自分も知らないうちに