ゆっくりと囁くその二度目の言葉は
なんだか違う気配を帯びていた
ゆっくりと彼の手が僕の唇に触れた
「あ…」
そして人差し指と中指の二本で
半開きになった僕の口をこじ開け
ゆっくり挿入していった
「忍耐の限界…だ…」
彼は呟いた
「動くな…」
「んっ…」
僕の舌の上を二本の指が
ゆっくりと上下に動く
僕の傷と血と…痛みに耐える声
彼の嗜虐を満たしたに違いない
こんな風に溢れるほどに
彼の恍惚とした目が僕を見下ろす
「さっき…犯してしまえば良かった
…君を虜に出来たんだ…心の空白と
無意識層に私のアンカーを打ち込ん
で…抜けられなくすることも出来た
のに…気の狂った君をさらって異国
の地で暮らすこともあの瞬間には可
能だった…だがそれが愚かだとわか
っている自分を欺けるはずもない…
悔しいがな…とても悔しいが…」
さらって欲しい…
僕はもう誰のものでも…ない
「う…くふっ…」
彼の指で口の中がいっぱいで
言葉に出来ない
「なにも…話すな…なにも…」
彼が低く囁く
「ただ…喘ぐんだ…感じた分だけ声
を出せ…今まで溜め込んできた鬱屈
した快感をここで解放するんだ…圧
し殺して行き場を失った膨大な快楽
の奔流を吐き出せ…君は声を殺して
しまう癖がある…もうそんなことを
しなくていい」
そう言うと彼は僕の口から
指を抜いた



