「昨日の私の話を覚えているか?」
僕はうなずいた
「そうか…ではどうする?…君はセ
ラピーが必要と思うか?…それとも
必要ないと…まあ…必要だが私には
されたくないという解答もあるが」
僕は考える余地なく言った
「必要…だよ…僕には」
今朝の悲しみをもう味わいたくない
「そうか…そして?」
「あなたに任せる…経緯を他の人に
は…話せない…たぶん…」
教会での懺悔
警察での聞き取り
どちらもトラウマだ
「リスクは覚えているか?」
「誰に話しても…リスクなんて…消
えないよ」
「プロのカウンセラーは君や兄さん
を断罪したりしない…あの神父みた
いにな」
「それを信じられる気力が…あるか
な…あなたと別れて…兄と逢って」
僕の心は変わりがなかった
「なんでもいい…あなたに任せる」
「理由は?」
そう訊かれて僕は
自分でも意外なほど反射的に答えた
「待てない…今すぐ楽に…なりた
い…」
僕の言葉を聞いて彼は一瞬止まった
「耐え難い…苦痛…か…」
「朝から泣くなんて…壊れてるよ…
この薬が切れるのが怖くて…たまら
ないんだ…」
また涙が出そうになる
「わかった…洗濯が終わったら始め
よう」
彼はそう言ってしばらく黙った



