別れを前提のセラピー

聞いている耳を閉じたくなった

いまこんなこと言わなくても…と

心に刺さる言葉に耐えながら聞く

合理的…いつものこと…だね…

耳の痛いこと平気で言えるあなたが

僕みたいな甘ったれには必要

なんだろうね…




彼の話は続いた




誰しも依存期はある

自分の心を自分で慰められるのは

反抗期を経てうまく自立した者だ

だが孤独の淋しさに耐えきれず

身体の関係に依存し破滅の道を辿る

そんな話は珍しいことではない

そして自分も周りも不幸になる

君の兄さんの父親がいい例だ

幼少期の父母との関係が影響する

親から無条件で愛された実感が

自分を愛する礎となる

だが君の両親は君を愛しているし

君もそれをよく理解していると思う

一見不足のない親子関係だが

その影になにかあるのではないか

というのが私の推察だ

兄さんとの関係が特殊過ぎて

君は両親とのトラウマを意識せずに

ここまできた可能性がある

君はこのことについて

思いあたることはないだろうか?




話の最後は僕への質問だった