失われた物語 −時の扉− 《後編》【小説】




「公安でまだ駆け出しの若い頃…私

はある国家的なスパイ活動の情報を

集めていた…前もってその諜報活動

の情報を入手していた我々は密かに

網を張って未然に潜入を阻止できる

はずが防衛ラインを巧みに突破され

た…我々しか知り得ない情報だった

ために内通者の存在が疑われ始めた

そして手引きにはどうやらあの女が

関わっている…金が動いた形跡があ

るという情報もあった…諜報員の潜

伏先を早く割り出す必要がある…同

時に内通者を特定しなければ同じ轍

を踏むことになる…チームは2つに

分かれた…私は女と直接コンタクト

する役を割り振られた…陽動の意味

も込めてだ…内通者に予定外の行動

を取らせれるようなアクシデントを

誘発する…つまりニセの情報を流す

それに対応して関係者が動く…そう

やって内通者をあぶり出すという作

戦だった」



彼の父親は言葉を切り

目を閉じた

これから話すだろうことに

僕はこの人のためらいを感じていた