彼はどこからその予感を

兄の情報として得たのだろう?

以前言っていた兄の父親の線なのか

それとも『身内』の線なのか…

確信のない話を聞くべくもなく

遺品の件も関わりがあるのか

ないのか

上からの圧力のある中での捜査に

僕があれこれ訊くのもためらわれた

だが…



きっと事態は動く

まるで途中で止めることのできない

ドミノ倒しみたいにそれは

次々と連鎖していくのだろうか



そして

彼は組織の中でどうなるのだろうか

そうじゃなくても微妙な立場なのに

例の組織内の"知人"には

もう頼れないのだろうか?



(孤独でも…生きていける…)



僕が兄と再会し

兄を選ぶから?

つまり兄は…失踪は



自分の意志ではない



もしかして

そういう…ことなのか

それを予期していたから

彼は…