よく見ると彼は少し下を向いて
なにかを見つめているようだった
「…なんか…落ちてる?」
「よし…オールクリアだ…大丈夫
安全だ」
「……?」
僕はなんのことかわからずに
彼の顔を見た
「盗聴器のチェックだ…まったく…
ひとつなにかするのにも面倒だ」
彼はジッポのライターぐらいの
黒い金属の箱をチラッと僕に見せ
そのままスーツの内ポケットに
スッと入れた
「盗聴器センサーだ」
「も…もしかして…僕らの関係がバ
レた…とか?」
僕は心臓がバクバクしてきた
「それはいいな…君と本庁のエント
ランスでキスしてみようか?」
彼はふざけた口調で僕をからかった
「じゃあ…なんで?」
「…それをここで話したかった」
彼がマジな顔になった
「なにか…あったの?」
「君の兄さんのせい…だぞ」
バクバクしてた心臓が
一瞬止まった



