思わぬ客がやってきた
それは親友のパンク野郎だった
僕のギターを持って
コンコンと小さなノックが聞こえた
昼過ぎに誰だろ
母さんかな
「よお」
聞き覚えのある声と共に
ヤツがドアから顔を覗かせた
「えっ!?」
「驚くなよ…そんな意外かよ」
意外…とかじゃなく
コイツには顔を合わせられない
というか顔向け出来ない
昼御飯のあとそのままの姿勢で
ベッドを上半分起こして寄りかかり
考えごとをしていたせいで
布団に潜りこむことも出来なかった
「あ…いや…えっ…と…」
ヤツはいつもの通り
遠慮なくベッドまで来た
肩に僕のギターケース
「ここ…座るぞ」
「あ…ああ…どうぞ」
「どうぞって…誰だよオレは」
ヤツはチッと舌打ちをした
壁ぎわにギターを置き
パイプ椅子を後ろ前に向け直して
それにまたがって座り
背もたれを抱きかかえた