「僕の命も心もあの時からあなたが

つないでくれてるんだよ?救い出さ

れたらそれで苦痛が終わるなんてこ

とはないんだそれを一番…僕よりわ

かってくれてる…」


「そうだ」


彼が僕の言葉を遮った

「ただひとつ…私が君の本当の気持

ちをわかっているとすれば…それは

君が本当に愛しているのは私ではな

く…兄さんだ…ってことだ」


僕はその言葉に胸をえぐられた

彼は僕を見ず床に目を落としたまま

ベッドから立ち上がった

「もう…いい…やめよう…君に余計

なことを言い過ぎた…君には関わり

たくなかった…私は…かき回される

のは好きじゃない…なぜ私の前に現

れたんだろう…君のせいじゃない

でも私は君を忘れようと思っていた

お互いのためにね…」

彼は笑いながら振り向いた

「君を落とすなんて…ただのファン

タジーかもな…」



彼は病室を出ていった

僕の胸は睡眠薬で眠り落ちるまで

痛み続けた

僕は彼に苦痛を与えている

それが辛くてうめいた



僕が兄のものであることは

真実だ

それでは…僕は…



彼が"再会すべきではなかった"

という意味が痛いほど突き刺さった

きっと僕を見るたびに彼は

自らの嫉妬の炎で焼かれていく




もう彼に頼るのは

やめなければ


でも今の僕に

それが出来るんだろうか