「…い…おい…大丈夫か?…しっか
りしろ…!」
ん…なに…?
誰かの声がする
「聞こえるか?…聞こえるなら返事
をしろ」
あ…彼の声だ
「ん…うぅ…な…に…?」
ここは…どこ?
床が固い
僕は…便器を抱いてる?
ああ…そうだ
トイレに居たんだっけ
僕が顔を挙げたのを見たのか
彼が大きく息をついた
「…良かった…起きたか」
「ごめ…ん…僕…寝て…た?」
彼は僕を抱き起こした
「めまいでも起こしたか?」
自分を追い詰めて極度に混乱して
そのまま意識がブラックアウトした
のか?
多分ただ眠ってしまっただけだろう
いつも苦しいと意識を失うのは
ブレーカーと同じ原理だ
僕の軟弱な精神を守ってる
「吐いてた…」
「危ないやつだな…風邪をひくぞ」
彼が僕を後ろ抱きにして立たせる
安心感が僕を包む
それからすぐ
罪悪感が沸き上がってくる
こんな気持ちの繰り返しになるのか
きっとこれからずっと
「歩けるか…?」
彼の腕につかまりながら
病室まで歩いて戻った
「病室に行ったら居ないし…担当の
ナースに訊いても知らないと言うし
まあ…トイレに行ったんじゃないか
とナースが言うから10分待ったが…
戻って来る気配がないしな…仕方な
いからトイレに探しに行った…彼女
の言ったことは正解だったな…君が
ドアに鍵を掛けてなくて良かった」
彼は僕をベッドに寝かした



