永劫とも思える錯乱した時間
それはたった30分の間のことだった
妄想の恐怖で過呼吸に陥った僕は
彼が帰ってきた時には
ソファーから床に落ちて
気を失いかけていた
気がつくと僕はレジ袋を被せられ
ベッドに寝かされていた
手足は紐をほどかれて
すでに自由になっていた
だが僕はそれがどういうことか
わからなかった
僕は袋を手で掻き分けた
「気がついたか」
彼の声が聞こえる
「なんで…どこ?…ここ…どこ?」
彼が袋を取り払ってくれる
彼が僕の顔を覗きこんでいた
「帰って来ないと思った…」
「例の発作だな…過呼吸になってた
縛ってパニックになったのか…すま
なかった」
僕にはなんのことかわからなかった
それよりクスリが切れていることが
何よりつらかった
「ちがう…ちがうんだ…クスリがな
くて…どこにもあの男がいなくて…
クスリが欲しくて…なんでくれない
のかわからなくて…」
僕は彼にすがった
「持ってるんでしょう?…クスリ持
ってるんでしょう?…早く入れて…
早く…もう耐えられないんだ…」
最後は泣いていた
苦しくて苦しくて
どうしていいかわからなくて
僕は彼の服をつかみ揺さぶった



