僕は取り残された
こんなことまでされるほど
蝕まれてるのか…
そう思うと不意に涙が出てきた
だが
彼の判断は正しかったようだった
ひとりになった僕は状況に対しての
認識を容易に失っていた
彼に救われたことを
なにかの夢のようにすら
感じ始めていた
とにかくクスリが欲しくて
これで手足が自由だったら
僕はそれを探しに部屋を出ただろう
あの男を探しながら
僕の身体は彼がいなくなったとたん
クスリの禁断症状に冒されていった
まだ抗ウツ剤の効き目が出ない
気が狂いそうになってくる
助けて…誰か…
部屋から出して…
ここはどこなの?
なぜ縛られてるの?
あの男がいないとクスリがない
あの男がいない
なんでいなくなったの…
帰るから…
すぐにあの部屋に帰るから
あんたにまた抱かれるから
クスリを
僕にクスリを打って
彼は帰らないかも知れない
僕を置き去りにしたの?
本当に彼は僕を助けにきたの?
こんな場所で僕を縛って
救いようがなくて放り出したんだ
クスリ漬けだから
腐ってるから
シャブの幻覚や妄想について
僕は全く知らなかった
統合失調症にも似た疑念と妄想が
起こるということを後に彼から
聞いた
それで人を殺すこともあると
自分を殺すことさえも…



